【ストの影響は?】アメリカ東海岸のコンテナ取扱量を確認
東海岸でストライキ決行。物流に与える影響は?
2024年10月1日、米国東海岸およびメキシコ湾のすべての主要港で港湾労働者によるストライキが開始されたと報じられました。10月3日には賃上げに関する暫定合意が成立し、ストライキの終結が発表されましたが、まだ未解決の問題も残っており、今後も予断を許さない状況が続いているとのことです。本記事では、米国東海岸の主要コンテナ港であるニューヨーク・ニュージャージー港のコンテナ取扱量の推移を分析し、ストライキの影響があったかどうかを検証します。
※11月15日時点で、10月分のコンテナ取扱量はまだ発表されていません。発表があり次第、追記予定です。
ここまでのNY&NJ港の月別外貿コンテナ取扱個数
ニューヨーク・ニュージャージー港(NY&NJ港)のHPで公開している月別コンテナ取扱量をグラフにすると以下のようになります。
グラフを見ると、2024年のコンテナ取扱量は前年同月比で高水準にあることがわかります。これは、昨年の取扱量が著しく低かったためであり、「巣ごもり需要」と言われた2022年と比較すると、依然として物量は少ない状況です。
2024年のコンテナ取扱量が好調な理由としては、「スト前の輸入前倒し」が主な要因と考えられています。東海岸での労使交渉の結果によってストライキの懸念があり、輸入業者が「問題が起こる前に輸入を進めておこう」と判断したことが、取扱量の増加につながったとみられます。
今後の懸念材料としては、対中政策に伴う関税の影響が挙げられます。西海岸と同様に中国からの貨物が減少傾向にあり、ストライキの懸念が解消されれば、コンテナ取扱量は徐々に低下する可能性があるでしょう。
今後も東海岸のコンテナ取扱量について定期的にレポートしていきます。
※大谷シッピングでは、アメリカや中央アメリカへの海上輸送も積極的に取り扱っています。西海岸やメキシコなど、多数の実績がありますので、ご入用の際はぜひお問い合わせください。