コンテナ港効率性評価(CPPI)上位20港の経済圏分類 2023
コンテナ港効率性評価(CPPI)とは
コンテナ港効率性評価(CPPI:コンテナポートパフォーマンスインデックス)とは、寄港船の総滞在時間などからコンテナ港のパフォーマンス(効率性)を評価する指標であり、国際開発金融機関であるThe World Bankが毎年ランキングを発表しています。
このランキング上位に位置する港は、円滑な物流を実現し、コンテナ取扱量の増加やコスト削減が期待できるため、運送業者や輸出入業者にとって信頼性の高い港とされています。
今回は、CPPI2023の上位20のコンテナ港をそれぞれの経済圏で分類し、物流におけるG7およびBRICSの経済圏でのシェアを確認したいと思います。
CPPI 2023の上位20港
以下は、The World Bankが発表したCPPI2023の上位20港です。各港について、2022年度のランキングと所属している経済圏も併せて表示しています。
※2022年度のランキングおよび経済圏のリストについては、以下の過去記事をご確認ください。
>>コンテナ港効率性評価(CPPI)上位20港の経済圏分類 2022
■CPPI2023の上位20港
RANK | コンテナ港 | 国 | 2022 | 経済圏 |
1 | 洋山深水港(Yangshan) | 中国 | 1 | BRICS |
2 | サラーラ港(Salalah) | オマーン | 2 | MENA |
3 | カルタヘナ港(Cartagena) | コロンビア | 5 | - |
4 | タンジェ港(Tanger-Mediterranean) | モロッコ | 4 | - |
5 | タンジュン・ペラパス港(Tanjung Pelepas) | マレーシア | 6 | ASEAN |
6 | 赤湾港(Chiwan) | 中国 | 24 | BRICS |
7 | カイメップ(Cai Mep) | ベトナム | 12 | ASEAN |
8 | 広州港(Guangzhou) | 中国 | 9 | BRICS |
9 | 横浜港(Yokohama) | 日本 | 15 | G7 |
10 | アルヘシラス(Algeciras) | スペイン | 16 | - |
11 | ハマド港(Hamad) | カタール | 8 | - |
12 | 寧波港(Ningbo) | 中国 | 7 | BRICS |
13 | 馬湾港(Mawan) | 中国 | 14 | BRICS |
14 | 大連港(Dalian) | 中国 | 42 | BRICS |
15 | 香港港(Hong Kong) | 中国 | 11 | BRICS |
16 | ポートサイド(Port Said) | エジプト | 10 | BRICS+ |
17 | シンガポール港(Singapore) | シンガポール | 18 | ASEAN |
18 | 高雄港 (Kaohsiung) | 中国 | 25 | BRICS |
19 | ヴィシャーカパトナム港 (Visakhapatnam) | インド | 115 | BRICS |
20 | 麗水港(Yeosu) | 韓国 | 23 | G20 |
このランキングを見ると、上位は昨年と同様の港が並んでいますが、昨年3位だったハリファ港は今年29位と大きく順位を落としています。ハリファ港については、2021年11月に中国企業が運営するコンテナターミナルで軍事施設を建設しようとしていたため、米国が建設停止を求めたという記事が出ており、港の開発が停止したことが影響していると考えられます。
昨年と比べて大きく躍進したのは、赤湾港(24位→6位)、大連港(42位→14位)、ヴィシャーカパトナム港(115位→19位)といったBRICS勢です。
一方、G7で唯一ランクインしているのは横浜港(15位→9位)で、横浜港は2020年のCPPIで世界1位に輝いた実績があり、現在も高水準を維持していることが伺えます。
2023年度のCPPIではBRICS勢が優勢ですが、今後G7側の台頭が見られるのかどうか、来年もまたこの時期にレポートしたいと思います。