世界のコンテナ港上位10港平均値の推移2008-2022
年間コンテナ取扱量の上位10港について
日本港湾協会が発表している「コンテナ貨物量上位100港の一覧表」をみると、年間コンテナ取扱量の上位10港は2008年以降から現在までで大きな変化はありません。
1位は上海港、2位はシンガポール港で、両港とも順位が変動していません。
3位から5位までは、寧波・舟山港、深セン港、香港港がランクに変動があり、その後の順位は広州港、青島港、天津港、釜山港、ロッテルダム港、ドバイ港などが占めています。
年毎の増減を各港で確認できますが、これらのデータを年別に平均化することで、世界経済の流れが見えてきそうです。
今回はコンテナ港上位10港のコンテナ取扱量をテーマとさせていただきます。
上位10港のコンテナ取扱量と、GDP上位10国の平均値の推移
以下は年間コンテナ取扱量の上位10港の平均値を年別のグラフにしたものです。
このグラフをみると、主要港のコンテナ取扱量は、2009年に下落しましたが、それ以外の年では前年比で増加していることがわかります。
コロナ禍となった2020年以降も大きく下がることはなく、微増していることがわかります。
結論として、物流は未だに成長傾向にあることが示されています。
ちなみに先日日本のGDPがドイツに抜かれて4位になったというニュースがでていましたが、世界のGDPはどうなのでしょうか?
WEBサイト「グローバルノート」で公開しているGDPデータを基に「世界の名目GDP上位10国の平均値」をグラフにしたものを以下にあげます。
このグラフを見ると、前述のコンテナ取引量の上位10港の平均値のグラフと同じようなチャートを形成しています。
前年比で名目GDPの平均値が減少しているのは2009年(リーマンショック)、2015年(チャイナショック)、2020年(コロナ禍)の3度あります。
これらの年はコンテナ取扱量も減少ないし、微増であるためコンテナ取扱量と名目GDPに相関関係があることが分かります。
また、同期間の日本の名目GDPと比較してみると、日本の場合、2013年以降は名目GDPが上位10カ国の平均値を下回っています。この期間の日本の名目GDPは米国や中国に次ぐ3位ですが、それでも平均以下になっていることは、上位2カ国の独占状態がより強くなっていることを示しています。
※もちろん、こちらのグラフはUSドルでの算出ですので、為替レートの大きな影響を受けるため、実質GDPとは異なることを理解しておく必要があります。
今回は世界の上位10港のコンテナ取扱量をテーマにしました。今後の中東情勢がどのくらい世界の物流に影響を与えるのでしょうか。
この上位10港の平均値の推移について、今後もレポートしていきたいと考えています。