カナダ西岸港湾のコンテナ取扱量について
カナダ西岸港湾の労使交渉は13日間のストライキを経て暫定合意へ
2023年7月1日からカナダの西岸港湾でストライキが発生し、主要港であるバンクーバー港などはコンテナターミナルの運営が停止し、物流がストップしました。
このストライキは、2023年3月に期限切れとなった労働協定の更新交渉が決裂したことによって引き起こされました。その後、2023年7月13日に新しい協定が暫定合意となり、ストライキは13日間で終了しました。
今回はカナダの主要港のバンクーバー港のコンテナ取扱量について取り上げます。
バンクーバー港とロサンゼルス港のコンテナ取扱量を比較し北米西岸の物流を考察
以下はバンクーバー港のHPで発表している月別コンテナ取扱量をグラフにしたものです。
参考に米西海岸のロサンゼルス港の月別コンテナ取扱量も併記します。
バンクーバー港とロサンゼルス港のグラフを比べると、どの年も似た傾向になっていることがわかります。
例えばロサンゼルス港の場合、2022年下半期のコンテナ取扱量は大幅に低下していましたが、バンクーバー港のコンテナ取扱量も同時期に著しく減少していました。
仮に北米に貨物の需要があればロサンゼルス港が混雑で使えない場合には代替港としてバンクーバー港などの近隣港を使うはずですが、そういう事ではなかったことがわかります。
つまり港の問題ではなく、「巣篭もり需要」の終了や貨物需要自体の低下、アジア、特に中国からの貨物減少による影響が大きかったのではないかと考えられます。
労使交渉が話題になった米西海岸とカナダ西岸ですが、現在は双方とも暫定合意となっており、港の状況は正常化していくと考えられます。
港の正常化によって北米西岸のコンテナ取扱量は回復するのか、アジアからの貨物は増えるのか。
2023年の夏以降、北米西側の物流の回復には引き続き注目していく必要があります。