サウジアラビアとイランの国交正常化が物流に与える影響は?

イランとの国交回復で中東エリアの物流はどうなる?

年始に当ニュースでサウジアラビアのジェッダ港(紅海側)が中東最大の物流パーク建設を計画している事を話題にしましたが、3月にはサウジアラビアがイランと国交正常化するというニュースが出ました。

ペルシャ湾に面した両国の関係が良好になることは中東の物流にも大きな影響を与えそうです。今回は今後の中東エリアの物流についてをテーマにします。

今後はさらにジュペルアリ港が躍進する予感!?

サウジアラビアとイランの国交回復で期待されるのはペルシャ湾の安全面ですが、物流に与える影響としては以下の事が予見できます。

  • ジュペルアリ港のコンテナ取扱量が増加
    サウジとイラン両国が協力してペルシャ湾の安全保障が向上することで、これまでよりスムーズな物流が実現されそうです。
    引き続き、中東エリアの物流はジュペルアリ港が牽引していくことでしょう。
  • イランの石油輸出が増加
    現状制裁を受けているイランの石油輸送ですが、今回の国交正常化で一部制裁が解除される可能性も考えられます。もちろんイランの核開発問題が起因のため多くの西側諸国は反発すると予想されますが、それでもなんらかの形でイランの石油輸出量は増えると考えられます。
  • 中東向けの輸送コストが下がる
    両国の協力で、ペルシャ湾やその入り口であるホルムズ海峡が安全になれば、航路が安全になればいわゆる「海賊」の取り締まりも強化できます。そうなれば、船舶保険額が安価となり、輸送遅滞のリスクも減るために輸送コストも下がりそうです。
  • アジア、欧州間の海上輸送が盛んになる
    中東の航路がより安全になれば、アジア、欧州間の輸送が盛んになると考えられます。そうなるとこれまでアジア、北米間が強かったコンテナ取扱量の勢力図が変わってくる可能性もでてきそうです。

今後もサウジアラビアの2港に注目です!

以上のように、サウジアラビアとイランの国交回復によって、中東エリアの物流は大きく成長する可能性がありそうです。
ペルシャ湾の安定で一番恩恵を受けるのはジュペルアリ港ですが、アジア欧州間の貨物も増えることは、紅海側のジェッダ港の発展にも寄与しそうです。

はたして、ジェッタ港の中東最大の物流パーク建設計画と合わせて、今回の国交正常化は世界の物流を変化させる一手となるのか!?
いずれにしても、今後ますますサウジアラビアの港湾施設が注目されることになりそうです。