月別コンテナ取扱量から世界経済の繁忙期を探る-上海港編-

月別コンテナ取扱量を見れば繁忙期が見えてくる

どの業界でも何らかの「繁忙期」「閑散期」というものがあるものです。うなぎ屋さんであれば「土用の丑の日」。チョコレート屋であれば「バレンタインデー」といった感じで想像しやすい時期もありますが、実際に月別の売上データを数年分見れば、一年の間でどの月が繁忙期なのかが見えてくるものです。

そして世界の主要な港のコンテナ取扱量の月別を見れば世界全体の繁忙期というのがわかるかもしれません。

本記事では上海港の月別のコンテナ取扱量を過去3年間抽出し、年間でどの時期に取扱量が多いのかを確認してみることにしました。

上海港の月別コンテナ取扱量を確認してみた

中国交通運輸部が発表している上海港の月別コンテナ取扱量のデータ基にして、2019年1月から2022年7月までの値をグラフにすると以下のようになりました。

    

上記グラフを見ると、おおよそ以下のことがわかります。

  • 毎年1月が繁忙期、2月は日数も少ないため下がっている。※「春節前の駆け込み出荷」によるものだと考えられる。
  • コロナ渦で低迷したと言われる2020年も7月以降は前年度を上回っている。※いわゆる「巣篭もり需要」のためだと考えられる。
  • 2021年は5月と7月の取扱量が通常よりも下落している。その反動で6月と8月は上昇しているように見受けられる。
  • 2022年は4月から6月にかけてロックダウンの影響がでている。

2019年以降のデータを見ると、上海港の場合は毎年1月がピークとなっているようです。おそらく「春節商戦」によるもので、他国であれば12月がピークになるのかもしれません。

またコロナ渦前である2019年のグラフを見ると1月以外はあまり大きな変化がある月はないので、平時であれば繁忙期は1月のみ、閑散期はなしと考えられます。

はたして上海港と他の主要な港では繁忙期が異なるのでしょうか。データが揃い次第、アメリカ西海岸や日本の港のデータも集計予定です。