コンテナ荷動き量の推移でわかる世界経済の動向

コンテナは20世紀最大の発明です!

コンテナは1920年代にはアメリカや欧州の鉄道で利用されていましたが、海上輸送でのコンテナ利用としては、1956年にアルミ製のコンテナ58個をアメリカのニューアーク港から船でヒューストン港まで運び、そこからトラックで目的地まで運んだ記録が最初だと言われています。

現在はコンテナの規格が国際的に統一されていることにより、船や飛行機から降ろしたコンテナをそのままトレーラートラックに乗せて目的地まで運ぶことが可能となりました。
これまでの「個々の貨物を詰め直す」という手間を省くことができるようになったことで、輸送スピードが爆発的に改善されたと言われています。
また個別に詰め替えがないことで個々の貨物の破損や紛失リスクも軽減されることになり、より「安全」な輸送が可能になりました。

このようにコンテナの登場は国際物流をスムーズにし、世界経済に大きな影響を与えたので「コンテナは20世紀最大の発明だ」と言われています。
まさに20世紀の経済はコンテナが回していたといっても過言ではなく、それは21世紀になっても言えることなのです。

世界のコンテナ荷動き量の推移をみる

現在、世界中を移動しているコンテナはどのくらいの量なのでしょうか?
毎年7月にJMC(日本海自センター)が公開しているデータによると、2021年の世界の主要地域間コンテナ荷動き量は年間で1億6820万TEUだったようです。
また2005年からの2021年までの世界のコンテナ荷動き量の推移は以下のようになるようです。

■ 世界のコンテナ荷動き量の推移 ■
※各年の荷動き量の数値は下記参照URLより抽出
参照URL:世界のコンテナ荷動き量の推移(2005-2021年) / JMC(日本海自センター)


このグラフをみると2009年と2020年は一時的にコンテナ荷動き量は減少しているものの、基本的には右肩あがりの成長曲線を描いていることがわかります。
ちなみにコンテナ荷動き量が減少した年の世界情勢を顧みると2009年はリーマンショック、2020年はコロナ渦だったという事が考えられます。

コンテナ荷動き量の増加量をそのまま世界経済の成長だと考えると、コロナが経済に与えたダメージはリーマンショックに比べれば微々たるものであったと言えるでしょう。
また2009年のリーマンショックに関しても、翌年には年間の荷動き量は回復し、その後も大きく成長曲線は外れていません。
2021年はコロナ禍ではあったものの「巣ごもり需要」から荷動き量は増加していることがわかります。
いずれにしても、この15年の世界経済は順調に成長してきたと言えるでしょう。

はたして2022年の年間のコンテナ荷動き量はどうなるのか。
ロシアウクライナ問題、上海ロックダウンはどれほど世界経済に影響を与えたのか。
今後もコンテナ荷動き量に注目しておきましょう。