コロナ禍、紅海迂回後のコンテナ運賃の動向を振り返る

紅海迂回は今年も継続!?コンテナ運賃を確認

2024年は、紅海迂回や干魃によるパナマ運河の運行制限など、コンテナ運賃指数を押し上げる要因が多かったように思われますが、実際の運賃指数はどのように推移していたのでしょうか?

今回は、英国のDrewry社が公開しているCFRI(Container Freight Rate Insight)データを基に、2020年から2025年1月までのコンテナ運賃指数の動向をグラフで確認します。

横浜港→ロッテルダム、NY等の運賃指数の推移

まずは主要航路コンテナ運賃動向のうち紅海ルートとなる横浜港→ロッテルダムの運賃指数(※単位はUS$/40ft)の推移をグラフにします。

    

次に主要航路コンテナ運賃動向のうちパナマ運河経由となる横浜港→NYの運賃指数の推移をグラフにします。

    

最後に比較参考用として横浜港→ロサンゼルスの運賃指数の推移もグラフにします。

    

2024年のグラフを見ると、「横浜港→ロッテルダム」の運賃指数は前年比で大幅に上昇しています。特に紅海迂回の影響が大きく、6月・7月の水準は、世界的なコンテナ不足により運賃が高騰した2021年や2022年と匹敵する水準に達していることがわかります。8月以降はやや下落傾向にあるものの、それでも2023年を上回る高水準を維持しています。2025年も紅海迂回が続く見通しのため、現在の水準が継続する可能性が高いと予想されます。

「横浜→ニューヨーク」「横浜港→ロサンゼルス」の運賃指数についても、2024年5月から7月にかけて上昇傾向を示し、その後は下落していますが、依然として2023年よりも高い水準を維持しています。パナマ運河に関しては、8月に水量回復が発表され、航行制限も段階的に解除されました。しかし、通行料の値上げの影響もあり、2025年2月には空き枠が発生するといった報道も出ています。さらに、1997年より香港企業が運営していたパナマ運河の港湾管理権が米国企業に売却されることが発表され、その後、中国政府が売却中止を要請したという報道もあり、今後の動向に注目が集まります。

紅海ルートやパナマ運河ルートの正常化がいつになるのか、今後も定期的に運賃指数の動向を追い続けていきます。

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