上海港コンテナ取扱量の推移_2023年第1四半期

2023第一四半期のコンテナ取扱量は前年比減。

昨年夏以降、アメリカ西海岸と中国の物流の取扱量が減少傾向にありますが、2023年はどうなっていくのでしょうか。
今年の3月までの上海港のコンテナ取扱量のデータが発表されましたので、今回はそのデータを基に、アジアとアメリカの物流について考察します。

    

現在公開されている2023年3月までのデータを見ると、いずれも前年同月比で減少していることがわかります。
ただし、一昨年と比較した場合、1月は減少していますが、2月と3月は一昨年同期比で増加しており、減少傾向にはありますが、著しく減少しているわけではないことがわかります。

一方、先月レポートしたアメリカ西海岸のロサンゼルス港の1月と2月のコンテナ取扱量は、過去5年間でも最も減少していました。
>>ロサンゼルス港の2月のコンテナ取扱量激減)

ロサンゼルス港と上海港の減少率を考えると、上海港減少分はアメリカ(西海岸)との取引が減った分が主だと考えられますが、アメリカの対中制裁によって中国の物流に大きな影響を与えているかと言われると、そこまで大きな影響が出ていないのではと考えられます。

但し、上海港のコンテナ取扱量が第一四半期で前年比減となったことは事実です。
グラフは2019年以降からですが、コロナ禍であったにもかかわらず、前年同月比で減となるのは第一四半期では初めてです。

2023年中にはインドの人口が中国を抜くと言われており、物流においてもその主役の座が中国から別国にシフトするのか。今年のコンテナ取扱量の変動がどうなるのか引き続き注目していきます。