SCFI(上海輸出コンテナ運賃指数)をチェックする
2025年初来43%ダウン。8週連続下落のSCFIのチャートを確認
2025年3月、「世界的にコンテナ船運賃の下げが加速している」というニュースが報じられました。紅海の閉鎖などの混乱は依然として残っていますが、希望峰ルートなどの迂回ルートが機能しており、トランプ米大統領の関税発言による駆け込み需要も落ち着いたことから、運賃は値下げ方向にシフトしているというのが大方の見方です。
それを裏付けるように、SCFI(上海コンテナ運賃指数)は2025年初から8週連続で下落しているという報道もありました。これは毎年この時期に見られる傾向なのか、それともその年ごとの世界情勢が影響しているのでしょうか?
今回は、過去3年間のSCFIのグラフを作成し、年ごとの比較を行いたいと思います。
過去3年間のSCFIのチャートを確認
SCFI(上海コンテナ運賃指数)は、中国の上海航運交易所(Shanghai Shipping Exchange)が毎週発表する指数で、コンテナ運賃の変動を示す重要な指標です。過去3年間の推移を見ると、市場環境の変化に伴い、大きな変動が見られます。
以下に、2025年から遡って2023年までの年間のSCFIグラフを示します。
SCFIは週ごとに発表されているため、グラフは3つの年度別に分けて表示します。
まずは、2025年3月までのSCFIのグラフを表示します。
次に2024年のSCFIのグラフです。
最後に2023年のSCFIのグラフです。
SCFIの年間グラフを比較すると、1月や2月に運賃が下がる傾向が見られるというよりも、むしろ世界情勢の影響で価格が大きく変動しているように思われます。
注目すべきは、2023年12月の急騰です。この急騰は、紅海迂回の懸念が高まり、運賃が急上昇したためだと考えられます。その後、2024年3月頃には一時的に落ち着きを見せましたが、4月から7月にかけて再び高騰。この高騰は、大統領選挙後の関税や政策の不透明さが影響し、駆け込み需要が発生したことが要因とされています。
その後、トランプ大統領が就任し、現状では極端な関税や対中政策が行われていないため、運賃は落ち着きを取り戻してきていると考えられます。
今後の動きとしては、現在、香港企業が管理しているパナマ運河の運営権がアメリカ企業に移行することが決まっており、この動きが物流や運賃に影響を与える可能性があります。また、特定品目の関税引き上げなど、貿易政策の変化によっても運賃が再度高騰するリスクがあると考えられます。
今後も、SCFIの動きについては定期的にレポートをお届けしていきます。
※大谷シッピングでは、中国、東南アジアや中央アジアへの海上輸送も積極的に取り扱っています。マレーシア、シンガポール、インド等、多数の実績がありますので、ご入用の際はぜひお問い合わせください。