台湾の主要コンテナ港について

台湾のトランシップ港として高まる需要と対中関係の懸念

近年、台湾はアジアの主要なトランシップ港としてその存在感を強めています。高雄港、基隆港、台北港、台中港などの主要なコンテナ港は、国際的な貿易ルートにおける重要なハブとして機能しています。
しかし、台湾と中国の政治的関係が悪化する中で、有事が起こった場合には輸送業界に与える影響は計り知れません。
今回は、日本湾岸協会のHPで公開されている「コンテナ貨物量上位100港」のデータを基に、台湾主要港のコンテナ取扱量の推移をグラフで可視化してみます。

台湾の主要港は高雄港と基隆港というイメージでしたが、、

台湾の主要港といえば高雄港、基隆港でしたが、近年は基隆港のコンテナ取り扱い量は縮小し、世界のコンテナ貨物量上位100港からも2015年以降は外れてしまっているようです。
(2014年は基隆+台北港と合わせて1港とみなしていましたが、2015年以降は2港に分けたようです)
その理由はもともと狭くて制限の多い基隆港の補助港として台北港を開港し、徐々に台北港や高雄港を利用する業者が増えた結果と考えられています。
なお、2015年以降の世界のコンテナ貨物量上位100港の中で台湾のコンテナ港は高雄港、台北港、台中港の3港で、2022年までの推移をグラフにすると以下のようになります。

    

2015年から2022年までの推移をみると、コロナ禍もほぼ関係なく一定のコンテナ取扱量を維持していると言えます。

なお、高雄港では2023年には第七コンテナターミナルが本格稼働した他、2024年には第3CTと第5CTの再編整備プロジェクトが発表され、完成後は2万4000TEUの大型船も効率的に対応できるようになるとされています。

ただ冒頭でも述べた通り、最大の懸念は対中関係悪化による台湾有事です。
大谷シッピングでは現地とも連携し、常時最新の情報を取得しておりますので、台湾への輸送にお困りの場合は是非お問い合わせください。