アジア欧州航路の月別コンテナ取扱量について
紅海回避の前後でコンテナ取扱量はどう変わったのか
2023年年末からフーシ派による商船への攻撃が繰り返されているため紅海(スエズ運河)を回避し、喜望峰経由での輸送を余儀なくされています。この紅海回避ルートが選択されていることは、アジア欧州航路の月別コンテナ取扱量にはどのような影響を与えているのでしょうか。
今回は日本海自センターが公開している「主要コンテナ航路荷動き動向」のデータを元に直近3年間の欧州アジア間のコンテナ取扱量について確認していきます。
欧州航路(アジア⇒欧州)のコンテナ取扱量と運賃指数について
今回は欧州航路のうちアジア⇒欧州の場合の月別コンテナ取扱量と運賃指数について確認しました。
以下、それぞれのグラフです。
グラフを見ると、喜望峰迂回ルートとなった1月と2月のコンテナ取扱量は昨年同月比で増加しています。ただし、2022年の1月と2月までは前年比で減少していたため、増加分は例年の水準程度である可能性があります。
ただ、迂回ルートの影響で運賃も上昇してきており、紅海が正常化するまでコンテナ取扱量が大きく増加するとは考えにくい状況です。運賃については、迂回ルートで上昇していますが、2021年のようなコンテナ不足が起きない限り、「著しく上昇する」とは考えにくく、しばらくは2024年の1月から3月程度の水準で推移すると予想されます。
いずれにしても、中東の情勢によっては大きく変動する可能性があり、今後も定期的に欧州ルートのコンテナ取扱量と運賃指数についてレポートしていきます。