中南米の主要なコンテナ港について
中南米のコンテナ取扱量について
中南米の主要なコンテナ港といえば、サントス港(ブラジル)やマンサニーヨ港(メキシコ)などが思い浮かびますが、実際のデータはどうなっているのでしょうか。
日本湾岸協会が発表している「コンテナ貨物港上位100港」のデータを見ると、2021年には中南米の港の9港が100位以内にランクインしており、最上位はコロン港(パナマ)の39位となっています。
今回は中南米のコンテナ取扱量について取り上げます。
パナマのコンテナ港が急成長中!?
中南米のコンテナ港のうち上位5港の年間コンテナ取扱量をグラフにすると以下のようになります。
(参考に東京港のコンテナ取扱量も掲載しておきます。)
グラフを見ると、この10年で中央アメリカのパナマのコロン港のコンテナ取扱量が急速に増加していることがわかります。コロン港はパナマ運河の大西洋側の出口に位置しており、2007年に着工し、2016年に竣工したパナマ運河の拡張工事の結果、物流が増加したと考えられます。
対して、パナマ運河の太平洋側の出口に位置するバルボア港は2016年以降のコンテナ取扱量に大きな変化は見られず、現状ではあまりパナマ運河拡張の恩恵を得ていないように見受けられます。
また南米ブラジルのサントス港のコンテナ取扱量も堅調に増加しています。
2023年6月にはサントス港とイタキ港を結ぶ南北鉄道(全長2257キロ)が開通したとされており、2026年完成予定の東西統合鉄道と合わせて、国内の物流が飛躍的に改善されると予想されており、今後のコンテナ取扱量の増加も期待されているようです。
ちなみにグラフにあるとおり、2020年の時点でコロン港、サントス港のコンテナ取扱量は東京港を上回っています。今後中南米の物流を牽引する2港の成長も気になるところですが、日本のコンテナ港の整備はどうなっているのか気になるところです。