トーゴのコンテナ取扱量について

西アフリカの物流を牽引するトーゴのロメ港

先月、ナイジェリアのラゴス港についてレポートしましたが、近年の西アフリカのトランシップ港としてもっとも躍進したのはロメ港(トーゴ)で、日本港湾協会が発表している世界のコンテナ取扱量ランキングによると、ロメ港は2020年、2021年ともに96位にランクインしており、西アフリカの物流が成長してきたことが表れています。

今回はトーゴのコンテナ港について特集します。

切磋琢磨するロメ港とラゴス港

ロメ港自体のコンテナ取扱量は公開されていませんでしたが、The World BankのWEBサイトで公開している国別の年別コンテナ取扱量のデータによると、トーゴとナイジェリアのコンテナ取扱量の推移は以下のようになります。
※比較のために同時期の東京港のコンテナ取扱量も載せておきます。
(グラフ中の東京港をクリックするとグラフが表示されます。)

    

こちらのグラフを見ると、近年のトーゴの物流の躍進ぶりが見て取れます。
まず2015年のロメ・コンテナ・ターミナル(LCT)開業によって年間コンテナ取扱量が大きく増加したことがわかります。このロメ・コンテナ・ターミナルはMSCグループ傘下のターミナル会社が運営し、水深15.5メートル、クレーン12基を擁し、年間コンテナ貨物取扱量は220万TEUに達すると言われています。

ロメ・コンテナ・ターミナルの開業以降、コンテナ取扱量は順調に増加し、2020年にはナイジェリアを抑え、西アフリカ最大のコンテナ港となりました。

ただし、先月のレポートでお伝えした通り、ナイジェリアではラゴス港内にレッキ深海港が2022年末に開港しました。この新港の運営はCMAターミナル(CMAグループの子会社)であり、2023年夏から本格運用が始まるとされています。コンテナ取扱量が大幅に増加することが予想されています。

果たして「西アフリカの顔」としての地位を確立するのはロメ港なのかラゴス港なのか。ライバル関係と言える両港の今後の発展に注目したいところです。

※参考:ナイジェリアのコンテナ取扱量について